ピクトサインとはなにか?
ピクトサインとは看板などで使われている視覚記号のことを指しています。「ピクトサイン」という言葉を聞いたことがない方でも、一度は目にしたことがあるはずです。
ピクトグラムとも呼ばれるピクトサインですが、どのような記号なのでしょうか。今回はピクトサインについて徹底解説します。
ピクトサインとは
ピクトサインとは情報や注意すべき場所を示すために使われる視覚記号です。文字ではなく記号・図で表現することにより、異なる言語を使用する人でも正確な情報を知ることができます。公共施設や公共交通機関、ショッピングセンターなどの複合商業施設、レジャー施設などで使用されている記号です。
ピクトグラムと呼ばれることもありますが、どちらも同じ意味になります。
私たちがよく目にするピクトグラムの代表例は、トイレを示す人の形をしたマークです。色を使い分けることによって、男性用なのか女性用なのかが判断できますし、車椅子マークがあれば、バリアフリーの多目的トイレがあるかどうかも判別できます。
ピクトサインの起源
現在国内外問わず多くの場所で目にするピクトサインですが、このピクトサインの起源はなんと約3万2000年前です。ショーヴェ洞窟という場所の壁画に意味を持つ図や絵が描かれていたことがわかっています。
現在のように言葉や文字があったのかはわかっていませんが、記号や図で表現して伝えることはとても原始的な方法だと言えます。
現在のようなピクトサインの元となったのは、1920年頃です。オーストラリアのオットー・ノイラートによって作られたアイソタイプがピクトサインの原型を作ったと言われています。
当時は文字を読めない人も多数いたのですが、オットーが作り出したアイソタイプは、そう言った人にも社会や経済情勢を簡単に使えるツールとして広まりました。
そして現在のような形でピクトサインが誕生したのは、1964年の東京オリンピックです。この東京オリンピックはアルファベットを使用しない国が初めて開催国となったオリンピックでした。
そこで海外から訪れる選手や関係者、観客のために美術評論家の勝見勝が39種類の施設シンボルを作成したのです。
次のメキシコで開催されたオリンピックでもこのピクサインが使用され、そこから進化を続けて現在のような形になっています。
ピクトサインは国際規格と国内規格がある
日本で使用されているピクトサインは国際規格(ISO)と国内規格(JIS)があります。一部のピクトグラムは誤認が頻発していたことおあり、2020年に一部のピクトサインは変更されています。
2020年に変更になったのは、駐車場・手荷物受取所・救護所・乳幼児用設備・乗り継ぎ(飛行機)・案内所及び情報コーナー・温泉で、温泉以外はISOの表示を使用することになりました。温泉に関しては表示する人が判断して使うことができます。
ピクトサインは簡略化した図や記号を使うことで、誰にでも分かりやすいというメリットがありますが、簡略化しているからこそ誤認の恐れもあります。
指定された場所以外では国際規格・国内規格以外のピクトサインを使用することもできますが、誰もが簡単に判断できるか、見間違わないかも意識しなければなりません。
ピクトサインは色が持つ意味も重要
ピクトサインは文字の代わりに図や記号で情報を伝達しますが、形だけでなくその色にも意味があります。
私たちが目にする機会の多いトイレを意味するピクトサインですが、男性のトイレは青、女性のトイレは赤で色付けされていますよね。形をはっきり見なくても、色だけで瞬時に判断できるので、ピクトサインに使われている色はとても重要です。
ちなみにトイレ以外のピクトサインでは、青が安全や許可、赤が危険や禁止、黄色が注意というふうに使われています。また施設には必ず非常口が設置されていますが、必ず緑の色が使用されています。
ピクトサインは看板に使うと効果的
言語が異なる人でも理解しやすいように公共施設や公共交通機関で使用されるピクトサインですが、お店や企業の看板に使用するのも効果的です。
特に野立看板と言われる街頭などでドライバーに道案内をする目的で立てる看板は、車で通り過ぎる一瞬で「なんの看板なのか」を認識させなければいけません。文字で表示しても認識するのが難しいときは、ピクトサインを使うことで瞬時に認識させることができます。
ピクトサインを効果的に使って情報を伝える
ピクトサインは言葉が通じない人に効果を発揮します。しかしそれだけでなく、どんな人にも一瞬で情報を伝えられる便利なツールです。
ピクトサインを効果的に使うことができれば、情報を瞬時に伝えることができます。看板のデザインを考えるときも、ピクトサインを使うことでよりわかりやすいデザインが作れないか考えてみましょう。